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行動経済学と投資について ~行動経済学の逆襲を読んで~

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こんにちは、せみけんです。

 

2016年10月4日に相場は、新高値が89銘柄、新安値が17銘柄と結構強い印象を受けました。決算は円高の影響などを受けてあまり芳しくないものもある中、これだけの銘柄が新高値をとっているというのもなかなか凄い展開。

 

利確に動いたので、かなりポジション軽くなりました。ここからは無理に買わず、また下落ムードになった時に買うぐらいの気持ちで、投資候補を考えてみます。

 

さて行動経済学ってまた、ちょっと堅めの話なんですが、読んでいた本の中で面白い話があったのでご紹介します。

 

「行動経済学の逆襲」という本なのですが、2016年、最近出版された本で、本屋で見つけて面白かったのでご紹介です。

 

1.目次

2.ケインズの美人投票について面白い実験

1.目次

第1部 エコンの経済学に疑問を抱く 1970~78年
第2部 メンタル・アカウンティングで行動を読み解く 1979~85年
第3部 セルフコントロール問題に取り組む 1975~88年
第4部 カーネマンの研究室に入り浸る 1984~85年
第5部 経済学者と闘う 1986~94年
第6部 効率的市場仮説に抗う 1983~2003年
第7部 シカゴ大学に赴任する 1995年~現在
第8部 意思決定をナッジする 2004年~現在

 

著者リチャードセイラーは、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス教授。全米経済研究所(NBER)の研究員。行動科学と経済学を専門とし、行動経済学のパイオニアの一人。行動経済学の本はベストセラーも多いので、本書を含めてお勧めです。

 

市場は合理的には動いていないということも理解しやすい本だと思います。帯のコメントもお勧めしていることが分かるので、以下をご覧ください。

 

「創造的破壊のドキュメンタリー。経済学に関心がない人にこそ読んでほしい、
最上の知的エンターテイメントがここにある」
★楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』著者)

 

「行動経済学一代記!
学者人生の中での試行錯誤を通して見えてくる
新分野誕生の悩みと興奮の全貌」

★山形浩生(トマ・ピケティ『21世紀の資本』訳者)

 

「行動経済学を発明した天才は、稀代のストーリーテラーでもある」

★ダニエル・カーネマン(『ファスト&スロー』)

 

「現代の経済学で最も重要な発見の舞台裏を見せてくれる」

★マルコム・グラッドウェル(『天才! 』)

 

「読むべき。行動経済学のガイドとしてこれ以上の本はない」

★ロバート・J・シラー(『アニマルスピリット』)

 

「大学教授が書いた本にしては、不思議なくらい笑える」
★マイケル・ルイス(『マネー・ボール』)

 

2.ケインズの美人投票について面白い実験

 

ケインズの美人投票については、聞いたことがある方も多いと思いますが、Wikipediaをご確認ください。

ケインズは、玄人筋の行う投資は「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える新聞投票」に見立てることができるとし、この場合「投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」とした。


これを金融市場に当てはめると、基本的にはファンダメンタルズが反映され適正な値段として反映されるはずだが、実際は必ずしも業績のよい投資対象が高く、そうでない投資対象が安いとは限らず、その時々の投資対象に対する風評や先行きの期待感・失望感、あるいは需給関係などによって動く要素が多い。

 

すなわち、自分以外の多くの人々の人気投票の結果が価格であるという意味である。

本書にある実験なのですが、ケインズの美人投票に関する面白実験の例がありました。

 

実験内容は、以下の通りです。

・参加者は、0~100までの中から数字を1つ選ぶ

・その数字を全員分集計して、平均値を出す。

・平均値の3分の2に一番近い数字を選んだ人が勝ち

 

例えると、3人だけのプレーヤーがいて、それぞれが、20、30、40の数字を選んだとします。その場合は、平均値が30なので、3分の2は20となり、20の数字を選んだ人の勝ちです。

 

この実験をフィナンシャルタイムズ紙(金融経済紙)の協力で、1997年にやったのですが、答えはどうなったと思いますか?

 

0~100の数字を実際に考えて、思い浮かべると面白いと思います。

 

 

 

 

 

このゲームは人が何を考えているかというところがミソなのですが、答えを先にいうと、13だったそうです。つまり平均値が凡そ20だったので、その3分の2が答えとなり、13となりました。

 

これは、ちょっと考えていけば近い答えが出てくるのですが、皆がランダムに数値を選べば、平均は50.その3分の2は33となります。(1段階の思考)

 

でも、みんながその思考をするのであれば、33を選ぶ人が多くなり、平均も33に近くなるはず。だったら、33の3分の2である、22が答え。(2段階の思考)

 

いやいやフィナンシャルタイムズの読者なら当然ここまで推測して、22を予想するから、その3分の2である15が答えになるんじゃないか。(3段階の思考)

 

こんな感じでやっていると本来は、0がゲーム理論のナッシュ均衡となりますが、現実的には、100を選んだり、0を選んだりとバラツキもあり、この時の結果は13になりました。

 

結果として面白かったのは、33と22を選択した人が多く、1段階の思考、2段階の思考を選んだ人がかなり多かったことと、0,1を選んだ人がかなり多いことです。

 

0,1というのは経済学について詳しい人で、フィナンシャルタイムズを読む人なら論理的に0,1だと導き出す人が多かったようです。ただ現実的には、深く考えず100や50を選ぶ人もおり、13という数字になりました。

 

私が面白いと思ったのは、この実験結果について、株式市場にも当てはまることです。

 

数多くの投資家が、割安株を選好し、バリュー投資家だと名乗っています。一方、成長株が見込める株式を好む人は、グロース投資家だと名乗っています。

 

これは本書の主張なのですが、バリューもグロースも投資している人は基本的に、他の投資家が価値が上がるはずだと今後判断すると思われる株を買っていることには変わらない、ということです。当たり前のことですが、株は自分が人から買い、それを人に売って初めて売買となります。

 

他の投資家が価値が上がるはずだと今後判断する材料にはいろいろあります。利益が大幅に増えるというのが分かり易いとは思いますが、今ノーベル賞候補となっている村上春樹氏の関連株ということで、丸善が上昇しています。(細かく調べたわけではないので、ほかに上昇要因があるかもしれません。。)

 

これも、ノーベル賞受賞→本が売れる→利益が出るということだと思いますが、他の投資家が価値が上がるはずだと今後判断すると思われる株式を、買い始めるわけですよね。当たり前と言われればそうなんですが、ここが気になって何度も読み返しました。

 

私は10年以上投資をずっと継続していますが、結局は何でも良いので、利益が出ればいいと思っています。(基本的には再現性がないとダメだと思いますが)本当は、会社を応援することや会社の成長を見守りたいというのもありますが、やはり投資した以上は利益が出ないとダメです。

 

デイトレでも、スイングでも、中長期でもなんでもいいのですが、利益を出す投資、他の投資家が価値が上がるはずだと今後判断する株を買うことに対して自分のスタンスで臨むべきかなと改めて思いました。個別株投資にも今のところは隙間があると思いますし、投資が好きなので今のところは個別株に投資したいと思います。AIが発達し、人間ではかなわなくなったらインデックス派に乗り換えることにしています。

 

株式市場は合理的であり、市場平均に勝ち続けるのは困難である。だからインデックスに投資し、余計な手数料を払わず、マーケット平均に投資すべきだという理論もあります。ジェレミーシーゲルは尊敬していますし、現に、アクティブ系のファンドのほとんどは、パッシブのETFに勝つことができません。

 

そういった意味では、インデックス投資は正解だと思ってますし、投資に費やす時間がない人にとってはインデックス投資ほど心強いものはないと思います。

 

 

 

 

もう1点だけ語りたいところがあります。

 

22章の株式市場は過剰反応を起こすという中で、楽観は楽観しすぎるし、悲観は極端に悲観になる人間の心理のことを述べています。グロース株は先行きに明るい見通しを立てがちで、一方、誰も注目していない株は悲観的なシナリオの株価となっているということです。

 

私自身が、割安な株(例えばPERが低い銘柄)を好んで買うのは、あまり期待されていないので、ちょっとした良い材料が出ると、意外な上昇を見せるからです。ただ時間軸だけは気にするようにしていて、3ヵ月後や6ヵ月後の決算などで良い変化がみられそうかどうかは気にしながら投資しています。

 

10年以上投資をやってきて、暴落もあまり気にならなくなりました。逆に暴落時は投資のチャンスと思っていますが、根底にはこの本にあるように投資が心理に与える影響が大きいというのを理解している(しているつもり)からです。

 

行動経済学は面白いと思いますし、こういった本を一通り読んでおくと経営でも投資でも幅が広がると思います。良書なんですが読むのに少し時間がかかりました。本日はゆっくり眠れそうです。それでは!

 

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲