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【書評】リーマンショックコンフィデンシャル

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こんにちは、せみけんです。

相場は今のところ落ち着いていますが、先行きが見通しにくいですね。12月の雇用統計までは、とりあえずこのペースなのか、それとも欧州不安再燃か、どうなりますでしょうか。

 

ウェルネット(2428)は撤退したら、すっと上昇していく悔しい展開。

個人的には、投資している株式は勿論ですが、過去投資した先もちょくちょく見てしまうタイプです。 

 

短期のトレードも未だに一部やるので、そういった銘柄はイベントが終わればその後は見ないです。急上昇していてもそれほど悔しくもない(いや、まあまあ悔しい)です。それは、それほど執着もなく、あるイベントに対してこれぐらい上昇する可能性があるという一種の短期投資と捉えているからです。

 

ただ、中長期の銘柄に対しては。購入に至るということ過程に時間もかけています。分析をして愛着もあるので、下がってきたら買い直すこともあります。今回のウェルネットも下がって来ればまた買っておきたいなと思ってた株なのでちょっと悔しいですが、相場が自分の思い通り動くわけもなく。。

 

そんなに気にしていても仕方ないので、ポートフォリオの銘柄は絞って投資したいと思います。

 

本日は書評です。

リーマンショックコンフィデンシャルです。

ドイツ銀行の問題は、リーマンの再燃かと言われていますが、リーマンショック当時、何が起こったのか。何が問題だったのか、良く知るために臨場感たっぷりに理解できるお勧めの本の一つです。

 

1.目次

2.概要

 

 

 

 

1.目次

第1章 リーマン株急落

第2章 ポールソン財務長官の怒り

第3章 NY連銀総裁ガイトナーの不安

第4章 バーナンキFRB議長の苦闘

第5章 リーマン収益報告への疑念

第6章 襲いかかる空売り

第7章 揺れるメリルリンチ

第8章 瀕死の巨人AIG

第9章 ゴールドマン・サックスの未来

第10章 ファニーメイとフレディマック株急落

第11章 リーマンCEOの焦り

第12章 倒れゆく巨大金融機関

第13章 誰がリーマンを救うのか?

 

 

 

2.概要

 

この本は、金融危機をめぐる出来事の当事者200名余りに対して、おこなった500時間を超えるインタビューをもとに書かれています。

 

リーマンショックから約8年が経過しましたが、リーマンショックについて語ってある本で一番「生々しい」本だと思います。

 

この本で度々登場するJPモルガンのCEO、ジェイミー・ダイモンは、リーマンショックの問題が金融システムの崩壊に近いことを早々に察知し対応にあたっていたことがわかります。

 

ジェイミー・ダイモンは、非常に優秀な経営者で、2016年2月の世界的な株安の際にも自身の資金でJPモルガンの自社株買いをやっています。

 

会社のお金で自社株買いをするのではなく、自身の資金で株を買うというのも思い切った決断です。JPモルガンの株が割安であることを経営者自らが示し、金融株の下落を食い止めたといえるので、稀有な経営者です。

 

 

 

2007年、リーマンショックの少し前、経済バブルがピークに達していた時、アメリカ全体の企業収益の40%を占めるまでになっていたとのこと。これはレバレッジと複雑な商品をばらまくことによる賜物でしたが、失敗は壊滅的で、リーマンショック以降金融株は立ち直っていません。

 

Goldman Sachsを筆頭にほとんどの金融株が2007年ごろの高値を抜いておらず、ドイツ銀行など欧州の金融機関も大きな影響を受け、2016年には、リーマンショック時の最安値を下回っている金融株も見られます。

 

何より大きなリスクは要因は、アメリカの金融機関のあいだに新たにできた「超」がつくほどの相互連関だった。

 

多数の銀行がこの新しい金融商品(サブプライムローン)をさまざまな形態で持つことによって、どの一行もほかの銀行に依存する体制ができあがり、彼らの多くはその事実すら認識していなかった。一行が倒れれば、ドミノ倒しのように倒産が相次ぐ事態になりえたのだ。

 

14ページにある通り、今の金融機関は相互に依存していることが危機に対してのアキレス腱となっています。特にデリバティブは、当時のAIGを壊滅させる破壊力がありましたが、AIGの破綻は影響が大きすぎるということで、救済されました。ドイツ銀行もこのような結果にならないと良いですが、株価は軟調です。

 

当時、リーマンの救済にバフェットも加わる可能性があったことも生々しく描写されています。結局条件が折り合わずに、リーマンは破綻しましたが、バフェットに出資なり、してもらえれば、結果は違っていたかもしれません。

 

また、下巻の16章には、AIGが政府に救済される様子が描かれています。AIGも最後の最後まで政府による拒んでいましたが、最終的には担保不足により止む無く受け入れました。

 

ポールソンやバーナンキも承知していた通り、AIGは世界的な金融システムのかなめだった。ヨーロッパの銀行規制では、金融機関は、AIGの金融商品部門とクレジットデフォルトスワップ契約を結んで必要資本を満たすことが認められている。

 

銀行はスワップを用いて、金融融資や住宅ローンといった高リスク資産をAIGのトリプルAの信用力で覆い隠し、レバレッジを拡大していたのだ。 

 

AIGは、3000億ドル程度のCDSに関与していたといわれており、1ドル100円としても30兆円とあまりにも巨額でした。

 

18章には、三菱UFJによるモルガンスタンレーへの出資についても書かれており、リーマンショックを総括的に振り返るには良い本です。2008年から8年が経過し、リーマンショックの痛みを忘れつつあり、今度は欧州で同じような事態が起こるかもしれません。

 

 

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)