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あきんどスシローは、再上場(IPO)するのか?

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こんにちは、せみけんです。

最近、「あきんどスシロー」の記事を何度か目にしていたので、本日のお題にしてみます。

 

2016年のIPOは、超大型案件はないものの、分析してみるとなかなか面白い企業が多いです。

 

コメダ珈琲(3543)

 

LINE(3938)

 

 

上場予定/JR九州(9142)


 

 

あきんどスシローは上場するのか、ファンドに再売却するのか不明ですが、調べてみるとなかなか興味深かったのでご紹介。

 

1.歴史

2.決算と投資価値

1.歴史

 

あきんどスシローは、1970年~1980年にかけて、清水義雄、豊兄弟が関西で出店したのが始まりだそうです。過去の有報を読むと、義雄氏が兄で、豊氏は弟のようですね。

 

順調に拡大し、2003年に東証二部に上場してます。

ただ成長していく過程で、兄弟仲に問題があったようで、2007年から今に至るまで波乱続きの歴史がスタートします。

 

2007年、詳細は分からないのですが、兄弟げんかが勃発。豊氏は、持分をゼンショーに売ってしまいます。ゼンショーは、2007年3月に株式27.22%を保有する筆頭株主となっています。

 

これを快く思わなかった、義雄氏側が、2008年9月ユニゾンキャピタルの子会社である、エーエスホールディングス株式会社による株式公開買い付け(TOB、実質MBO)の実施を発表。ゼンショーの追い出しですね。

 

2009年にゼンショーが追い出され、上場廃止。株式非公開化しました。

 

兄弟力を合わせて上場会社に成長→兄弟げんか→ゼンショー参入→ファンドによるTOBという歴史。王将と同じような兄弟げんかの案件です。王将も、餃子の王将と大阪王将はもともと同じ会社でした。

 

当時の有報などを読むと、650万株の発行済株式数のうち、約60%程度を取得してたようなので、凡そ、130億円程度で取得。その後、ゼンショー分も取得しているので、約80%の株式を合計200億円程度であきんどスシローを買ったようですね。

 

2006年には義雄氏、豊氏ともに、取締役を退任しており、創業者がいなくなったあきんどスシローは、ファンドによる経営へと移り変わっていきます。

 

ユニゾンキャピタルは企業価値を上げるため、加藤智治氏を役員として送り込みました。コンサル出身の加藤氏は、メディアを有効活用することで、順調に業績は伸ばすことに成功。顧客度満足度調査や回転ずしの売上日本一を達成しています。

 2010年3月 - 日本版顧客満足度調査(JCSI)で飲食部門1位を獲得。

2011年3月 - 回転寿司売上日本一を達成。(引用元:Wikipediaより)

 

ユニゾンキャピタルは12年8月に欧州系のペルミラに約10億ドルでスシローを売却しました。譲渡価格は当時の為替レートで約800億円で、約600億円弱の売却益が出たことになります。約4年で4倍に増やしたわけで、ユニゾンキャピタルは相当儲かった案件ですね。

 

これは、積極的に拡大戦略をとったことで、ユニゾンキャピタルとしては上手くいった案件です。

 

規模としては、スシローは2002年9月期には、売上高241億円、95店舗しかありませんでした。それを積極的に新規出店し、20~30店程度の出店を毎年続けることで、業績が順調に拡大。2012年9月期は売上高1113億円、336店舗となり、10年で売上4倍強、店舗数3倍強となっています。

 

さらに、2015年9月期は、売上高1362億円、グループ全体で400店舗を超えています。後述しますが、利益の方は少し伸び悩んでいることが今後の企業運営で懸念されます。

 

質には相当こだわりがあったあきんどスシローですが、当時の豊崎社長のインタビューも興味深い内容です。原価率は高めに設定し、美味しいものを食べてもらうことにこだわっていることが分かります。

 

ユニゾンも短期的には、原価率を落とせば利益が出ることは百も承知だったと思いますが、強みを認めて良好な関係を築いていたようです。原価率を高く設定する戦略もなかなか面白いですね。

 

原価率50%を維持しながら、300店以上を展開する外食チェーンはほかにない。5~10店舗の個人商店ならできるが、大手でこの原価率はなかなか維持できない。

 

二十数年前に「これをやるのが難しいし、誰もマネできないからここへ行くねん」といったのが創業者の清水だった。原価に50%使って上場している外食はどこにもないぞと。

(引用元:http://toyokeizai.net/articles/-/12354

 

ペルミラは、2012年に10億ドルで取得し、今、上場するか、再度ファンドに売却するかのどちらかを狙っているようです。

 

市場で2016年9月時点で言われているのは、15億ドル程度(1500億円)の価値があるとのことで、ペルミラがどちらが良いかを検討しているようです。ペルミラの方は、15億ドルで売却できても、6年で50%価値を増やせたかどうかなので、ちょっとリターンとしては物足りないかもしれないですね。若干EXITを焦っているような印象を受けます。

 

ちなみに中期経営計画が発表されており、以下のような数値目標がありました。決算の数値がないので、中期経営計画も良いのですが、決算を載せてほしいです。

 

中期経営計画における数値目標
・売上高成長率(1) 年平均 約 7.0-8.5%
・新規出店数(2) 30~40 店/年

 

2.決算と投資価値

 

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くらコーポレーション(2695)と比較してみます。

くらは、無借金で、ROE17%の超優良企業です。こちらも大阪発祥の回転ずし屋。

時価総額1000億円程度かつ店舗数が400店舗近くなので、今回のあきんどスシローと規模が近いと思います。

 

あきんどスシローの売却額は15億ドル程度(約1500億円)に達する可能性があるとWSJの記事にありました。これはEBITDAの10倍だそうですが、売り側(ペルミナ)の思惑が強いのではないかと思っています。

 

というのも、決算数値から考えると1500億円はちょっと高いなと思ってます。細かい数値がないので、分析も難しいので推測が多い点はご了承願います。頭の体操としてやってみました。

 

2015年9月期の官報を見ると、流動負債、固定負債も合わせて500億円ほどあるようです。ここから、純有利子負債が300億円程度仮にあったとし、株式価値が1500億円とすると、EVが1800億円。

 

そうすると、EV/EBITDAが12倍となってしまいます。

 

さらに、EBITDAが、150億円とすると減価償却費が100億円超えているので、いくら積極的に拡大しているとはいえ、この売上規模で減価償却費100億円は大きすぎますね。ちなみに前期は、最終利益が赤字で、その理由は分からないですが、ここ数年利益はあまり出ていないようです。

 

時価総額1000億円程度なら、買い手もいそうな気がしますが、1500億円はさすがに高いんじゃないかと思います。その辺できるだけ高く売りたいペルミラとすれば、IPOとファンドへの売却両にらみで、高くつきそうな方に動くんでしょう。

 

1000億円だと、800億円で買ったペルミラの年率リターンは2~3%とかなり小さくなるので、あの手この手で動いていますね。

 

ただ、時価総額1000億円なら、EV/EBITDAが8倍程度で妥当な線だと思いますし、1店舗あたりの売上自体は、くらよりも大きく効率化できる可能性もあり、落としどころじゃないかと思います。

 

日本のIPO市場が盛り上がっていれば、株主優待をつけて時価総額1,500億円にもっていけるかもしれませんが、今のこの環境だとちょっと厳しそうです。売上に対する営業利益率もくらに劣っていますし、同じ1,000億円あれば、個人的にはくらを買いたいところです。

 

利益もでていないことからIPOは見送り、ファンドへの売却になると思っています。数値はあくまで推測なので、仮にIPOに出てくれば、詳細な分析をしたいと思います。