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伊藤忠商事(8001)の有報とグラウカスについて

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こんにちは、せみけんです。

 

日銀の追加緩和期待で相場は上昇してましたが、保有株は全く元気ない状況です。そんなときもあると、暫く様子見してみます。

 

伊藤忠商事(8001)の件を本日のお題にしてみます。

有価証券報告書をざっと読み、グラウカスのレポートも読んでみました。ちなみにグラウカスの目標株価は、631円と本日の株価1182.5円から比較しても痺れる価格です。こういった「空売り屋」は今後も日本をターゲットにしてきそうです。

 

レポートも40ページ以上とちょっと読むのも時間がかかりますね。ただ、繰り返している箇所も多い印象を受け、グレーですが、暴落を誘うような内容かは何とも言えないというところです。伊藤忠が631円なら、配当利回り8%を超えですし、さすがにそこまで下がると超低金利の中、目をつぶって買う人も多そう。

 

一方で商社の決算書は難解で、投資として買えるか言われるとなかなか判断がつきにくいのも事実です。有利子負債は3兆円あり、今回のように個別にスポットライトを当てると、適切な会計処理かはグレーなところです。ただ、連結会社、特に子会社を多く持っている企業や持分法の投資を多くしている会社などは、大抵同様の問題を抱えていると思います。毎期やる減損判定なんか冷や冷やものですよ。

 

短期的に深く押すなら買ってみても良いかなとも思いますが、長期的には財務分析難しすぎて手を出せないっていうのが本音のところです。

 

1.デロイトの監査報酬費用について

2.伊藤忠の役員報酬について

 

 

1.デロイトの監査報酬費用について

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(引用元:伊藤忠商事 第92期 有価証券報告書)

 

監査法人の報酬ですが、トーマツに約14億円とDeloitte Tohmatsuに約15億円の合計約29億円支払ってます。ちなみに伊藤忠の2016年3月期の当期純利益が約2,400億円なので、1%以上を支払っていることになりますね。

 

子会社、関連会社で300社を超える商社の監査費用なので、一概に高いとは言えませんし、監査するときは、会計士や会計士補がかなりの数働くことになるのですが、安くはありません。トーマツは、伊藤忠商事の監査法人という立場を失うと29億円を失います。監査法人が交代するのは、簡単ではないですが、企業の意にそぐわないときは、変わってしまうこともなくはないです。

 

こういったことから、比較的企業の思い通りに監査法人が動いている可能性は否定はできません。今に始まったことではないですが、報酬をもらっている会社を監査するというのは永遠の課題ですね。

 

 

 

 

2.伊藤忠の役員報酬について

 

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(引用元:伊藤忠商事 第92期 有価証券報告書)

細かくこれを分析することはしませんが、当期純利益と報酬が連動していることがわかります。欧米では一般的ですが、こういった枠組みは短期で利益を上げることのインセンティブが強いため、会計を恣意的に操作したくなります。

 

今回、不正だというつもりはありませんが、これを見る限り、減損は先送りしたくなるのが人情じゃないでしょうか。

 

商社は日本の会社の中でも古くからリスクをとってビジネスしていますし、海外で言うと投資銀行に近い立場で成功を収めてきました。ただそれも資源価格の上昇の恩恵を受けていたので、今後については不安要素も多く、株価も軟調です。

 

監査法人、役員、株主も短期的な利益を追求してしまい、どうしても企業の実態とかけ離れる可能性があります。今回の事件を受けて伊藤忠商事はどう動くか、注目していきたいです。

 

 

 

 

 

最後に、こういった空売り屋がどんなことをしているかお勧めの本があります。黒木亮は、有名な経済小説家です。空売り屋の事が生々しく書かれており、空売り屋がどんな調査をしているかを知るためには分かりやすい小説です。 

カラ売り屋 (幻冬舎文庫)

カラ売り屋 (幻冬舎文庫)