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ドイツ銀行のCDSをリーマンブラザーズのCDSと比較して考える

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こんにちは、せみけんです。

 

ドイツのDAX指数は、年初の10,500から7月9日時点で、9,600程度と10%下落で済んでいますが、欧州の金融株全般の株価は軟調です。

特に、ドイツ銀行は株価は年初22ユーロ程度あった株価は、11ユーロまで下落。国際通貨基金(IMF)が発表した「金融システム安定性評価」レポートでリスクが高い銀行として示され、アメリカFRBのストレステストでも不合格となりました。

 

ドイツ銀行のCDSがかなり高くなってきたのでどれくらい厳しい状態なのかをリーマンと比較して考えてみました。

 

1.ドイツ銀行のCDS価格

2.リーマン破たん時のCDSとその後に起こったこと

3.個人投資家にできること

 

 

1.ドイツ銀行のCDS価格

 

まずはCDSについておさらい。

クレジット・デフォルト・スワップ(英語: Credit default swap, CDS)とは、クレジットデリバティブ(信用リスクの移転を目的とするデリバティブ取引)の一種であり、一定の事由の発生時に生じるべき損失額の補塡を受ける仕組みをとるもの。(引用元:Wikipedia)

CDSは、簡単に言ってしまうと、保険です。CDSが高ければ高いほど、保険料が高いと考えてください。CDSの価格が高くなる=保険料が上がっているということです。マーケットではドイツ銀行はリスクがあるとみられており、保険料が高くないとCDSを引き受けられなくなっています。

ただし、株価と同じでCDSもマーケットの評価なので、いきすぎることはあります。あくまで目安としておきましょう。

 

金融機関のCDSが一覧で見ることができるサイトがあったので、リンク張っておきます。

 

ここでは、各金融機関の5YCDS及び格付が確認できます。

基本的には格付が高いほどCDSは低いのですが、格付は機関が付与しているのでどうしてもリスクをリアルタイムに織り込めません。ある程度参考にはなりますが、リアルタイムでのリスクをどうみているかは、CDSを見ておいた方がいいでしょう。

 

以下は、2016年7月8日のデータです。

ドイツ銀行のCDSは、258.46。ドイツ銀行の格付は、BBB+/Baa2

この数値が異常なレベルというのは、同程度の格付の金融機関を見てみましょう。

バンカメは、91.29。シティは、91.89.格付は、BBB+/Baa1

 

トリプルBの格付なので、ぎりぎり投機的格で、財務はそれほど良くないということを表しています。

 

ドイツ銀行含め、欧州系銀行はCDSだいぶ上昇していますので、比較も難しいですが、ドイツ銀行のCDSはかなり高いです。しばらく落ち着いていたのですが、2016年2月のCoCo債問題や巨額損失が発表された時と同水準まで戻ってきました。

 

ドイツ銀行のバランスシートやストレステストの結果を読んでもどの程度問題があるのかは正直わかりません。ただ、CDSや株価はある程度正しく銀行の価値を評価していると考えています。

 

ドイツ銀行のCDSは258.46とありますが、これがどれくらい悪い数値なのかはリーマンブラザーズと比較してみましょう。

 

2.リーマン破たん時のCDSとその後に起こったこと

リーマンブラザーズが破たんしたのは2008年9月15日のこと。米連邦破産法11条の適用を申請し破綻しました。その時、明確に最後の取引の数値はわかりませんが、5YCDSは600を超える程度で取引されていたようです。当時も資産の質が悪いと噂されていたリーマンですが、あっという間に破綻となりました。600というのは破綻前にしてはかなり低い数値ですが、目安にはなると思います。

 

過去のデータを見ると、2008年2月頃にCDSは一旦400を超えたのですが、その後落ち着きを取り戻し、2008年5月頃には、200を割るところまで下がりました。ただそこからは急上昇して600前後で突然破綻。

 

感覚的なものですが、現在の250というのは危険水域まできていることは間違いなさそうです。仮に、400前後に達し、どこかの金融機関が破たんすれば連鎖的な金融危機もあっておかしくないと個人的には思っています。今のところ筆頭はドイツ銀行、次点は、イタリアのウニクレディト。ここもずっと株価軟調。イタリア第3位のモンテパスキは、規模は小さいものの、対応が後手に回るとここが起点に連鎖するかも。

 

リーマン破たん後CDSがどう動いたかを示している記事がありました。

The CDR Counterparty Risk Index (which averages the market CDS spreads of 15 major credit derivatives dealers) smashed through its previous widest levels of 250 basis points, set in the wake of the near-collapse of Bear Stearns in March, to reach a new all-time high of 389.33bp this morning.


“Counterparty risk is dramatically higher as the bankruptcy of Lehman Brothers ripples through the CDS markets. The market is in turmoil as massive unwinds of open CDS positions sweep across all desks and uncertainty surrounding the viability of the broker-dealer business model spreads contagiously across Europe and the US,” commented Tim Backshall, California-based chief strategist at independent credit research house and data provider Credit Derivatives Research, which compiles the index.


CDSs referencing US investment banks were among those experiencing the greatest spread widening, amid fears their business models expose them to the same weaknesses as Lehman Brothers.


Five-year CDSs on Morgan Stanley rose to 496.7bp on September 15, up from 215bp a week before, while CDSs referencing Goldman Sachs reached 344.6bp from 159.3bp over the same period. Wachovia’s hit 596.7bp from 291.8bp, and Citi’s climbed to 267.5bp from 165bp.


Spreads on CDSs referencing Bank of America, which bought Merrill Lynch in a $50 billion deal at the weekend, rose to 200.8bp on September 15 from 124bp on September 8. Meanwhile, Merrill Lynch’s CDS rose to 455bp on September 12 from 306bp at the start of that week. The bank’s CDS was trading at 334.6bp on September 15.


Concerns about other US financials also resulted in an increase in the cost of protection. CDSs referenced to New York-based insurance giant American International Group rose sharply to 1908.2bp on September 15 from 432.8bp the week before, while CDSs on Seattle-based savings and loan bank Washington Mutual reached 2747.2bp on September 12 from 1443.7bp on September 8.


Counterparty credit risk worries were also felt in Europe. Barclays Capital’s CDS was trading at 170bp on September 15 from 124.2bp a week earlier. Royal Bank of Scotland reached 160.3bp from 111.8bp over the same period, while UK banking and insurance firm HBOS climbed to 315.4bp from 213.5bp over the week.

http://www.risk.net/risk-magazine/news/1501217/bank-cds-spreads-widen-dramatically-following-lehman-collapse

 

リーマン破綻後、この記事にもありますが、実はAIGのCDSが、1908.2となっています。AIGは巨額のCDSのカウンターパーティになっており、結局国に救済されました。

 

リーマンショックの問題点は、リーマン一社で済めば対応できる問題が、連鎖的にAIGもワコビアもふらふらになり倒産寸前となりました。金融危機が問題なのは、世界の金融機関は相互に依存しているので、それぞれに影響を大きく受けることです。この記事にもありますが、アメリカのリーマンショックにイギリスの金融機関も大きく影響を受け、CDSは上昇しています。

 

もし万が一、ドイツ銀行が危ないとなり、ドイツ銀行は救済出来ても、連鎖的に起こる金融危機に対して、例えばクレディスイスもウニクレディトも異なる国の銀行なのに、統制がきかなくなりつつあるEUが救済できるかが焦点になるでしょう。

 

3.個人投資家にできること

では個人投資家にできることは何か。

ファンドマネージャーではないので、投資したくなければ待つという選択肢があります。これだけの円高なので、7月末から8月に発表される決算はなかなか悪そうです。どんな業績なのかをしっかりみて考えるのもありかと思っています。トヨタの想定為替レートの105円を5円も下回っている今の水準を踏まえ、早速修正してくるか。

 

もし、今後金融危機が発生すればほとんどの株が物凄く売られることになります。Brexitの時もそうですが、優良株もなんでも売られてしまいます。

 

その時に、ビジネスモデルを理解できている優良な株を買います。米国株なら円高で割安に買えますし、日本にも景気の影響を受けにくい世の中に必要とされている企業はたくさんあります。

 

金融危機が起こるかはわかりませんが、リーマンショックもその後世界の株価はどうなったでしょうか。2008年から世界的に株価は上昇し、投資にはチャンスとなりました。その良い機会を逃さないよう買いたい株を考えて備えておきます!

 

 

 

 著者は、暴落関係の本を書いていることが多いので多少割引必要があるかもしれませんが、欧州危機について書かれている本は少ない中本書はデータを交えながら全体像を示してくれます。CoCo債についても分かり易い説明で、目を通した方が良い本だと思います。

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