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LINE(3938)のIPOについて見るべき5つの点 ~想定発行価格は、2,800円~

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LINEの上場が決定しました。2016年7月15日東証に上場予定ですが、ニューヨーク市場には2016年7月14日上場予定となります。

 

 

ニューヨーク市場で先に初値が決まりそうなので、そちらを睨みながら東証での初値も決まってきそうです。

 

 

上場の噂は何度もありましたから遅すぎるという意見もありますが、これだけ閑散相場の中、間違いなく注目はされます。想定発行価格は、2,800円となるようです。

 

 

 

では、有価証券報告書等資料を中心に5つのポイントついてみていきます。

 

1.概要  

~公募も売出共に、国内37% 対 海外63%の比率~

 

2.2015年12月期決算について 

~減損計上と従業員急増により大きな赤字~

 

3.2016年第1四半期決算について 

~今期は黒字~

 

4.役員報酬について

~ストックオプションは巨額~

 

5.まとめ

~MAUと申し込みスタンスについて~

 

 

 

1.概要

①公募・売出し株数について

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(※1)

 

 

公募・売出についてですが、公募については、35,000,000株で、売出しが5,250,000株です。海外の方が割合が大きいですね。

 

公募も売出共に、国内37% 対 海外63%の比率で配分される予定です。日本でも1000万株以上配分があるので当たる可能性は比較的高そうです。

 

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②証券会社について

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(※2)

 

配分される株数については未定ですが、大どころが並んでいますね。野村、三菱UFJモルガン、みずほ、大和、SMBC日興あたりの大手5証券会社がきっちり入っているので、申し込むならこのあたりの大手の証券会社を使いましょう。東海東京証券は穴場かもしれませんね。SBIの配分次第ですが、ネット証券の競争率は高そうです。

 

2.2015年12月期決算について

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(※3)

 

 

LINEの2015年12月期の単独決算は、決算公告で以前から確認できました。単独決算は赤字だったのですが、連結決算も赤字となっています。

 

2015年12月期 EPS▲43.33円、2014年12月期 +22.14円となっています。営業CF-投資CFベースでのFCFで考慮しても大きくマイナスが大きく、まだまだ投資拡大期の会社といえそうです。

 

2015年12月期について投機純損失の理由は以下の項目等だと注記に記載があります。

・スマートホンフォンでの課金決済の手数料

・IP保有者に対するロイヤリティ

・従業員の増加

 

セグメントで確認すると2つのセグメントあります。

①LINE ビジネス・ポータル事業

②Mix Radio 事業

 

②の音楽サービスが足を引っ張っていることが確認できます。有報を読むと2016年2月に撤退を決めているので、今期(2016年12月期)はそれほど損失が出ないと考えても良さそうです。

 

 

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ただし、ラインの本業である①で見ても、営業利益率は2%程度、22億円ほどの営業利益なので、後述しますが、人件費等の費用がかなりまだ先行しているといえそうです。

 

特に従業員は増えていますね。

2013年1,340人⇒2014年2,019人⇒2015年3,153人と物凄い勢いで増やしてます。2016年4月30日時点では、さらに従業員数は3,182人と増加していることがわかります。

 

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(※4)

 

以下の資料を見ると、平均年齢は低いものの、平均年収は約800万円ですね。このあたりが、今のところ赤字となっている要因だと思いますが、まだまだ拡大を目指しているので良し悪しは難しいところです。

 

ざっくりな計算ですが、3,000人×800万円かかると、240億の人件費は発生しているのは覚えておいた方がいいかもしれません。

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(※5)

 

 

 

3.2016年12月期第1四半期決算について

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(※6)

 

今度は、直近の決算をみてみましょう。

 

2016年1月~3月決算についてですが、売上334億円 営業利益53億円とあるので、これが今後9ヵ月も同様に継続した場合を想定してみましょう。

 

(2016年12月期予想)

売上334億円×4=1,336億円 

営業利益×4=212億円

 

時価総額が6,000億円以上(売出価格2,800円)を予定しているようなので、そのベースで考えてみます。

6,000億円÷212億円=約30倍となります。これは営業利益ベースなので、当期純利益で考慮するとPERで40倍~50倍前後といったところでしょうか。

 

今後も高成長を続けるなら特に問題はないPERになるかと思いますが、LINEのビジネスが世界的にどこまで伸びるかですね。

 

利益が15%程度ずつのびて、4年で利益が2倍になるなら、PERは20倍~25倍程度になりますね。人件費を絞って、コスト落とせば達成は可能なレベルかなとも思えます。

 

ただし、かなり甘くみてこの数値なので、正直上場ゴール案件の可能性があることは、頭にいれて、短期での勝負がメインですかね。

 

 

4.役員報酬について

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(※7)

 

役員報酬ですが、合計55億円が2015年に計上されています。巨額なストックオプションだと思いますが、上場まで持ってきた対価なんでしょう。

上場ゴール案件ではないことを願います。

 

5.まとめ

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(※8)

最後になりましたが、MAUもみてみましょう。MAUはMonthly Actiive Userの略で、実際使っているユーザーですね。約2億1,600万人が使っていますが、このグラフを見ると、やはり伸びが鈍化しているのは間違いなさそうです。

 

2015年に上場していれば、間違いなくもっと盛り上がったでしょう。

 

コメダもLINEも参加者にはなかなか渋い(?)案件となりそうですね。基本的には、大型IPOはお祭りだとは思っているので、参加したいと思います。需要については証券会社の担当者と相談しつつという感じですね。有価証券報告書が300ページを超えており、追記・修正もしていきます。

 

初値予想はまた分析して改めてご報告します。7月も閑散相場が予想される中どうなるか期待しています。

 

ちなみにLINEのスタンプを3年ぶりぐらいに買ったんですが、200円を超えていました。3年前は100円だったと思うんですが、値上がりしたんですかね?

 

現時点での評価は上場ゴールな雰囲気ですが、どうでしょうか。関連記事も張っておきます。

 

※1、2 「新規上場会社概要」より引用

※3~8 「新規上場申請のための有価証券報告書」より引用

 

 

(6月14日追記)

様々なブログ、記事を確認しましたが、否定的なコメントも多いですね。日本だけなら間違いなく公募割れなしで上昇していたと思うのですが、ニューヨーク上場ということで厳しい展開になるかもしれませんね。

アメリカの知名度がいまいちな中、ニューヨークで公募割れした場合は、日本でも弱い初値となりそうです。6月14日現在株式相場は相当軟調な展開です。

 

(6月29日追記)

仮条件が決まりました。2,700円~3,200円と、想定価格より強気に設定しているところが凄いです。本日、コメダが公募割れの中、ちょっと強気すぎると思いますが、投資家も運用難の中、ヒアリング次第でしょうが強めに設定してくる可能性もありますね。

 

私は、LINE自体はぎりぎりまで様子見しつつ、パスもありかなと思っています。投資家より、内部の関係者にメリットある案件となりそうですし、ニューヨーク上場というのがなかなか曲者です。IPO自体は、お祭りなんで基本参加なんですが、これは相当難しい案件ですね。

 

これだけの証券会社が揃っているので、公募割れはない案件にもってくるとは思いますが、何となく気のりしないですね。

 

Bloombergの記事ですが、否定的なコメントとしては、以下の通り。

“The market value they’re seeking is too high to justify,” said Makoto Kikuchi, Chief Executive Officer of Myojo Asset Management Co. “Growth in the number of users is slowing down and I can’t see a strong driver for profit growth.”(引用元:http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-06-28/japan-s-line-sets-price-range-for-1-1-billion-ipo-wsj-says

ミョウジョウアセットのきくち氏がいうには、余りにも高すぎる価格で、正当化できないレベルだといっている一方で、肯定的なコメントは以下の通り。

“Line will probably do really well because it will be supported by retail money,” said Amir Anvarzadeh, manager of Japanese equity sales at BGC Partners Inc. “Will it be well received around 3,000 yen? The answer is definitely. Whether that’s fair value is a whole different question.”

 BGC パートナーズのアミール氏は、3,000円は妥当な水準といっています。

恐らく日本人のきくち氏が否定的な一方で、外国人のアミール氏が肯定的なのはちょっと面白いですね。

 

以下にWSJの記事のリンクも張っておきます。有料記事なんで詳細差し控えますが、あまり肯定的な記事でないと感じました。


 

では、いくらが妥当なんでしょうか。6,000億円は相当期待が織り込まれていますが、Whatsappが2兆円だったことを考えると、アジアの一部でのみ使われているとはいえ、LINEにもそれなりに価値がありそうに見えます。今後しっかり成長していることがアピールできるなら3,000円でも高くはないのですが、本当に微妙な案件。

 

右肩上がりで費用もこなして成長している絵が描ければいいのですが、直近赤字ってどうでしょうね。注目は集まりますので初値形成には、ニューヨーク市場から注目したいと思います。

 

(6月30日追記)

「LINEには興味がない。同社の成長見通しは非常に弱い」とベイビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャーである佐久間康郎氏は語る。同社は現在、2700億円(26億4000万ドル)の資産を運用している。

 「LINEが注力している4カ国の中で、ユーザー数が伸びる余地があるのはインドネシアだけだ。そこですら、事業見通しはそれほど楽観的ではない」と同氏は続ける。

 LINEの月間アクティブユーザー数は過去3年間に世界で3倍に増加したが、その伸びは既に鈍化しつつある。IPO申請書類によれば、2016年3月末時点で月間アクティブユーザー数は2億1800万人に達したが、伸び率はわずか13%にとどまっている。同社は今後についてもあまり明確な見通しを示せず、報告書では「運用年数が短いので将来予測が難しい」と述べるにとどめている。

 調査会社Statistaによれば、世界的にはLINEは7番目にユーザー数の多いメッセージングアプリであり、Facebookの「WhatsApp」やTencentの「WeChat」といった同様のサービスよりもユーザー数は少ない。(引用元:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/30/news084.html)

 アクティブユーザー数の伸びが鈍化しているのは気になるところ。以下のグラフでも2年前の上場なら相当盛り上がったでしょう。世界で7番目というのは、どれくらい魅力的なのか。6,000億円の時価総額はいっぱいいっぱいな気がしてなりません。

 

 (7月12日追記)

需要は強いようで、公募価格は3,300円で決まりました。相当強気な価格ですがIPOの初値は需給次第なので、上限で決まったということは初値は3,500円~3,800円程度でしょうか。結局私は申し込みませんでしたが、今のところそこそこ良い価格で決まりそうだと思います。選挙結果を受けた10兆円の経済対策もプラスかもしれません。ニューヨークで初値が先に決まりますので、公募割れするかどうかはニューヨークの価格次第でしょう。