読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【投資本】千年投資の公理とインターブランドランキングの変遷について

お勧めの投資本
スポンサーリンク


f:id:semiken:20160601200906j:plain

 

こんにちは、せみけんです。

2016年6月1日の相場も空売り比率が高く、39.6%でした。

松井証券信用残の速報は以下の通りです。

信用残(億円) 評価損益率(%)
----------------------------
売り残 287.10 -8.964 ※倍率 7.591倍
買い残 2,179.44 -8.689

 

さて、今日は投資本のご紹介です。

千年投資の公理について、ご紹介します。

 

1.目次

第1章:経済的な堀:経済的な堀の定義とそれを使って優れた株を選択するための方法
第2章:誤解されている堀:幻の優位性にだまされるな
第3章:無形資産:棚から取り出せるものではないが、間違いなく価値がある
第4章:乗り換えコスト:しつこい顧客は面倒ではなく黄金だと思え
第5章:ネットワーク効果:非常に強力で、一章を割く価値がある
第6章:コストの優位性:賢くなるか、地理的に近くなるか、ユニークになれ
第7章:規模の優位性:きちんと把握していれば、大きいことは良いことだ
第8章:浸食される堀:優位性を失って立ち上がれない
第9章:堀を探す:外はジャングルだ
第10章:ビッグボス:経営陣の影響は思ったほど大きくない
第11章:肝心なこと:比較分析の五つの例
第12章:堀の価値はどのくらいか:最高の企業でも買値が高すぎればポートフォリオを傷つける
第13章:評価のためのツール:割安株を探す
第14章:いつ売るか:賢い売りが高リターンにつながる

 

2.千年投資の公理のポイント

この本は、かなり投資の本質をついていて、実は結構気に入ってます。マイナーな投資本だと思いますが、書いてあることは非常に有益だと思います。

 

序文に投資の行動計画について重要なことを言っています。

  1. 長期間にわたって平均以上の利益をあげることができる企業を探す
  2. その企業の株価が本質的価値より安くなるまで待ってから買う
  3. 企業価値が低下するか、株価が割高になるか、さらに優れた投資先が見つかるまで、その銘柄を保有する。保有期間は、月単位というよりも年単位で考える
  4. この手順を必要に応じて繰り返す

 

平均以上の利益をあげるということで、私は営業利益率の高い会社を選ぶようにしています。ただし、枕詞の「長期間にわたって」という部分が非常に大事で、その為には「堀がある企業」でなければなりません。

 

まず投資しようとしている企業があれば、この質問が非常に大事になります。

「何かあれば、企業の縄張りに参入しようとしている賢くて資金力のあるライバル社を阻むことができるか」

 

利益の大きい企業には、すぐにライバル社が現れるということになります。

 

最近のスマホのゲーム業界も近いものがあるかもしれません。DENA、グリー、ガンホー、ミクシーなど資金とアイデアでヒット作を出したものの、高収益を産み続けるのはかなり難しく、どの会社も株価は軟調な状態です。

 

参入障壁がないため、ベンチャー企業もたくさん産まれましたが、最近はどの会社も厳しい状態ですね。利益の大きい業界には、すぐにライバルが現れ、長期投資には向いていません。

 

ではどういったものが「堀」となるかというと以下があげられると筆者は言っています。

  1. ブランド、特許、行政の認可などの無形資産を持つ企業は、ライバル企業がかなわない製品やサービスを販売できる
  2. 販売している製品やサービスが顧客にとって手放しがたいものであれば、乗り換えコストが少しでも余計にかかることによって顧客離れを防ぎ、価格決定力を企業の方に与える
  3. ネットワーク経済の恩恵を受ける一部の幸運な企業には、長期間ライバルを締め出すことができる強力な経済的な堀がある
  4. 最後に、生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できる企業にはコスト上の優位性がある

 

1.ブランドについて

ブランドは、無形資産の中でも大事です。企業のバランスシートには、(基本的には)ブランドは計上されていないので、PERだけで企業を評価すると危険です。

 

たとえば、コーラを例にとってもそうです。近所のディスカウントストアのコーラが30円、自動販売機のコカ・コーラが130円で売られていたとします。中身や味はほとんど変わらないはずですが、コカ・コーラを買ってしまう人は結構いるんじゃないでしょうか。これがブランドです。長い間築き上げてきたブランドのおかげで、コカ・コーラは非常に高い利益率を維持しています。

 

インターブランド社というブランドの価値を評価している会社があります。その会社のランキングを経年で追ってみました。

f:id:semiken:20160601210345p:plain

2015年時点のコカ・コーラ社は、長い間1位だったのですが、2015年に3位になっています。1ドル=100円と簡便的に計算すると約7兆8,000億円のブランドの価値があることになります。

 

このブランド価値のおかげで、コカ・コーラ社は高く製品を売ることができます。BS上の資産は900億ドル(約9兆円)なので、ブランドを含み資産と考えると非常に割合が高いことがわかります。ここが投資の難しいところで、BS、PLだけ見ても良い投資先を見つけるのは難しく、簿外のブランドまで考える必要があります。

 

2015年のランキングをもう一度みてください。ほとんどの企業を知っていると思います。これがブランドの価値で、身の回りにも製品があふれていると思います。

 

また、ランキングに入っているのはアメリカの企業ばかりです。アメリカ企業のブランド戦略も非常に優秀で日本市場でもシェアを大きくとっている商品が多いです。トヨタはやっぱり世界のトヨタで頑張っていますが、トヨタとホンダの2社というのも少し寂しいですね。

 

1990年と比較しても、コカ・コーラ、マクロソフト、IBM、GEなど長期間にわたってランキング上位を占めている企業が多いです。これはブランドは一度構築してしまえば、長期にわたって維持しやすいということが言えます。

 

10年後にGoogleはなくなっていないでしょうし、10年後コカ・コーラはまだ高収益のまま大きな売上を上げている可能性は高いと思います。

 

2.乗り換えコストについて

顧客がライバル社の製品やサービスに切り替えるのが大変なとき、その企業には乗り換えコストという観点で優位性がある。

 

この点は、マイクロソフトのOS、Word、Excelを位イメージするとわかりやすいかもしれません。WordをフリーソフトやKingsoftに変えることはできますし、コスト削減のため導入している企業もあるかもしれません。

 

ただ、そうするには顧客とのやり取りに不都合が生じるかもしれません。よくありますよね、バージョン違いのため上手く開けないということが。

 

互換性を犠牲にする可能性もあり、リスクがあるため、マイクロソフトは長い間圧倒的なシェアを誇っています。乗り換えるのが難しい製品を売っている企業には投資のチャンスがあるかもしれません。

 

本文では、オラクル、アドビ、プロパンガス業者、分析機器メーカーなどが挙げられています。一方で、レストラン業界、小売業は乗り換えコストが低く堀がある企業は少ない。

 

3.ネットワーク企業について

ネットワーク企業とは、ユーザー数が増えれば、製品やサービスの価値が上がる企業のことです。アメックスがこれに当てはまります。

 

アメックスが使える店が増えれば増えるほど、アメックスの価値があがります。新規参入しようとしてもこのネットワークは簡単に築けないので、アメックスは長期に渡って高収益企業です。

 

シスコシステムズもユーザー数が増えれば増えるほど、価値が上がるためネットワーク企業でもありますね。

 

 

 

4.コストの優位性

低コストを維持することでも、堀を掘ることができます。

この点はいろいろな例がありますが、サウスウェスト航空やデルが挙げられています。ただコストの優位性は、真似されやすく、サウスウェストはジェットブルーなどLCCに追い上げられていますし、デルも中国のPCメーカーの追い上げで最近は収益率も低下しています。

 

つまりコストの優位性はどの程度続くのか、その源泉が何かを調べて長期間継続しそうな強味があるかを知る必要があります。

 

 

 

 

 

3.まとめ

9章に詳しく述べられていますが、堀がある業界とない業界があり、競争が少ない業界の中から選別することも大事だと述べられています。

 

例えばテレコムセクターは、堀がある企業が多いと述べられています。これは日本もそうですが、規制産業は非常に恵まれています。

 

探し方の一例は以下の通りです。

  • 過去の決算から高収益企業であることを確認する
  • この高収益を維持することが簡単なのか困難なのかを考えてみる
  • 堀のある企業の特徴、ブランド、乗り換えコスト、ネットワーク企業、コストの優位性などが、長期に渡って維持できそうであれば合格

 

いかがでしたでしょうか。この本は、普通の投資本より中身が濃く、じっくり時間をかけて読むと投資の本質が見えてくると思います。AmazonのKindle版がかなり安くなっていたのでお勧めです!他の方のレビューもご参考にしてみてください。それでは!!

千年投資の公理 (ウィザードブックシリーズ)

千年投資の公理 (ウィザードブックシリーズ)

  • 作者: パット・ドーシー,鈴木一之,井田京子
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2008/12/05
  • メディア: ハードカバー
  • クリック: 2回
  • この商品を含むブログを見る