2016年3月のアメリカ経済指標等の確認

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こんにちは、せみけんです。

月に一度の経済指標確認をします。

アメリカ経済は、基本的には良い状態だと考えていますが、世界景気が弱く、ドル高を歓迎しないこともあり、2016年6月の利上げは見送るかもしれないですね。

3月末時点では、個人的に利上げは6月末と12月末の2回の利上げかと思っていましたが、4月27日時点では、12月の1回のみの利上げの予想に変更します。マーケットも今のところ12月1回のみの利上げが優勢とみているようです。

私見ですが、アメリカ経済は総論好景気で、住宅・自動車は堅調、一方、雇用は時間当たりの賃金の伸び悩みと製造業は足元回復基調ながらもそれほど強くないといった印象です。(数値等については、誤っている可能性がございますので、ご自身で再度ご確認ください。)

 

  

①自動車新車販売台数(先行指標)
2016年1月 前年同月比0.3%減の114万8057台
2016年2月 前年同月比6.9%増の134万4225台
2016年3月 前年同月比3.2%増の159万5483台

3月の米国新車販売台数は、良好な天候と営業日数の増加を追い風に10年ぶりの高水準に達しました。アナリスト予想には届きませんでしたが、高額なトラックやSUVほど売れており、自動車業界は絶好調です。

ただし信用スコアの低い個人向け融資が伸びており、2015年から懸念され始めています。2008年のサブプライムローンより市場規模は小さいですが、少し自動車業界の先行きについては不安が残ります。

自動車ローンについては、特に信用力の劣った借り手に対する融資が増えており、こうしたサブプライムローンの残高は足元で2006年にほぼ並ぶ水準に達している

このため、増加の一途をたどる自動車ローンの健全性について疑問が浮上し、住宅バブル崩壊とリセッション(景気後退)の発端になったサブプライム住宅ローンの加速との厄介な類似点も指摘されている。(WSJ:2015年11月20日 「米サブプライム自動車ローン急増」より)

 

②ミシガン大消費者信頼感指数 (先行指標)

速報値 2月 90.7 (予想92.0)
確報値 2月 91.7 (予想91.0)
速報値 3月 90.0 (予想91.7)
確報値 3月 91.0 (予想90.5)
速報値 4月 89.7 (予想92.0)

消費者信頼感指数については、ひとびとの気持ちを知るうえで便利な指標です。買い物好きなアメリカ市況を知るためには便利で予想より悪化していると先行きを心配した方がよいです。ただしブレ幅が大きいので目安程度にしておく必要があります。

4月の速報値については、速報と確報で強弱まちまちといった感じですね。ただ消費者のセンチメントについては、思ったほど強くないというのが実感です。

 

③中古住宅販売件数(先行指標)
1月 547万戸 (前月比+0.4%)(予想532万戸)
2月 508万戸 (前月比-7.1%)(予想531万戸)
3月 533万戸 (前月比+5.1%)(予想530万戸)

中古住宅価格(中央値)は前年同月比5.7%上昇して22万2700ドル となりました。単価はだいぶ上がっているにも関わらず、低金利の恩恵を受け積極的に購入に動いているようです。

中古住宅市場は、アメリカの場合80%程度を占めており非常に重要な指標です。2月が一時的な下落だった模様で1月、3月が好調なことから住宅市場は堅調だと思われます。

 

④耐久財受注(先行指標)2月25日発表
2016年1月 +4.9%増
2016年2月 -2.8%減(予想  ‐2.9%減)
2016年3月 +0.8%増(予想  +1.7%増)

2016年1月は、2015年3月以来の高い伸びを示していましたが、2月はドル高や原油安が影響しているようです。2016年3月も低調な結果に終わり、特に、自動車、コンピューター、電子機器が落ちこみました。2月、3月とドル安にもかかわらず製造業の景気回復にはほど遠いとの見方から、6月の利上げも遠のいているようです。

 

⑤住宅建築許可件数(先行指標)/住宅着工件数(先行指標)
1月住宅建設許可件数 120.2万戸 (‐0.2%、前月比)(予想120万戸)
1月住宅着工件数 109.9万戸(‐3.8%、前月比)
2月住宅建設許可件数 116.7万戸 (‐3.1%、前月比)(予想120万戸)
2月住宅着工件数 117.8万戸(+5.2%、前月比)(予想115万戸)
3月住宅建設許可件数 109.0万戸 (‐7.7%、前月比)(予想120万戸)
3月住宅着工件数 109万戸(‐8.8%、前月比)(予想117万戸)

中古住宅が強かった一方で、新築住宅はかなり弱い結果となりました。2月と逆の結果ですね。中古住宅は強いものの単価の高い新築住宅が弱いため足元若干不透明感がありますね。ただ市場の8割を占める中古が強いので、それほど心配していません。

 

⑥雇用統計
2016年1月非農業部門雇用者数が、15万1000人増 (予想19万人増)
失業率 4.9% 
時間当たり賃金 0.12ドル増

2016年2月非農業部門雇用者数が、24万2000人増 (予想19万人増)
失業率 4.9% 
時間当たり賃金 0.03ドル減

2016年3月非農業部門雇用者数が、21万5000人増 (予想20.5万人増)
失業率   5.0% 
時間当たり賃金 0.07ドル増

雇用統計は長期にわたり良い数値がでていますね。ただし、時間あたり賃金が非常に弱い動きであり、インフレとは遠い結果から利上げに対してはなんとも言えない結果になっています。

今後5月、6月の雇用統計も時間あたり賃金が弱いようだと6月利上げは厳しいかもしれません。ただし、非農業部門雇用者数20万人増はトレンドとして継続しているので、いつ利上げに動いてもおかしくないレベルです。

 

⑦ISM製造業景況指数(先行指標)
2016年1月ISM製造業景況指数 48.2 (+0.2 前月対比)(予想48.0)
2016年2月ISM製造業景況指数 49.5  (+1.3 前月対比)(予想48.5)
2016年3月ISM製造業景況指数 51.8  (+1.3 前月対比)(予想50.7)

 

5か月連続節目となる50を下回っていましたが、50を超えてきましたね。かなり製造業にも勢いが戻ってきつつあり、今年に入って続いているドル安の恩恵もありそうです。アメリカの製造業の株価もかなり戻っており、ダウ18,000演出の立役者といえそうです。ただこの後発表された耐久財受注は弱いことから、まだ様子見といったところでしょうか。

 

⑧家計貯蓄率(一致指数)
2016年1月 5.2% (前月同)
2016年2月 5.4% (+0.2%)
2016年3月 4月末発表予定

先行きに不透明感があると上昇する貯蓄率は、5%前後と高水準が続いています。過去の不況期と比較すると10%程度まで上昇していた時期もありますので、一般労働者にとって、まだ不況を感じるといった様子はなさそうです。

 

⑨新築住宅販売件数 (先行指標)
2016年1月の新築住宅販売件数 49万4000戸 (9.2%減、前月比)(予想52万戸)2016年2月の新築住宅販売件数 51万2000戸 (2.0%増、前月比)(予想51万戸)
2016年3月の新築住宅販売件数 51万1000戸 (1.5%減、前月比)(予想52万戸)

2016年3月の新築住宅販売件数は、予想よりわずかに悪い51万1000戸でした。5か月連続の50万戸越えということで、高水準を保っています。ロイターによりますと、以下の通りで、供給不足により、新築から中古へと流れており、住宅関連は好調なようです。

3月の新築1戸建て住宅の在庫は2.1%増の24万6000戸と、2009年9月以来の高水準だった。在庫は増えたものの、依然として住宅バブルのピーク時の半分以下の水準にとどまっている。

新築住宅はアメリカの住宅市場の15%程度を占めるので、新築住宅が潤うと木材や電気配線などの部材も売れるため裾野が広く景気に与える影響は大きいです。また新築住宅販売が好調だと車もよく売れるので、住宅指標には注目です。

 

⑩バルチック海運指数(先行指標)

アメリカだけではなく世界の景況を表しているバルチック海運指数ですが確認しておきます。海運株に影響のあるこの指標、過去最低をつけた水準から2倍以上と戻っています。2015年8月の60%水準なので、堅調とはいかずとも海運各社にとっても底は脱したレベルといえますでしょうか。この指数は非常に大きく変動するので参考程度ですね。

 

2015年8月 1,200
2016年2月8日 290 (過去最低)
2016年2月29日327
2016年3月31日414
2016年4月27日704

 

⑪ペトロブラス株価

$7.22 (2016年4月26日 ADR,NYSE)

52週レンジ
$2.71-$10.55 

ブラジルの株価はかなり上昇していますが、代表格といえるペトロブラスの株価は持ち直しています。一時は倒産寸前かと思いましたが、ルセフ大統領の弾劾手続きが承認されたことにより、政局の混乱も良い方向に動いています。

油価も戻しており、一安心といったところでしょうか。ペトロブラスに万が一のことがあると、関連する企業がおおいため、株価はウォッチを続けます。

 

⑫ドイツ銀行株価
€16.48(DBK:GR)

52週レンジ
€13.03 - €32.37

南米、中国あたりもかなり危ないのですが、ドイツ銀行も株価が全然戻っていません。もしかしたら再度火を噴くのは、ドイツ銀行問題かもしれません。マイナス金利の影響もありますが、欧州の銀行問題は少し根が深そうです。以下のような記事もあり、懸念がありそうです。

①~⑫まで個人的に気になった指標をばらばらと確認してみました。まとめて確認するとまだ利上げするのには時間がかかりそうな雰囲気です。アメリカだけを見れば、利上げもできそうですが、製造業の回復が緩慢なところがネックですね。

さらに世界的にドル安新興国通貨高がアメリカの製造業の負担を軽くし、新興国の債務負担を軽くするため早期の利上げは見送りでしょうか。

先月と同様の考えですが、円高は暫く続く可能性があり、東証一部の大型銘柄、特に輸出関係に投資するのは見送りたいと思っています。引き続き、建築・不動産や原油安・円高メリットが大きい銘柄への投資を続けます。 

日銀の政策決定会合は読めませんが、2016年4月27日の結果は基本的には出尽くしをベースに、保守的な運用を考えたいと思います。