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投資本『ROE革命の財務戦略』とジャパンミートの初値結果について

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こんにちは、せみけんです。

4月21日、今日の日経平均は457円高と急激な上昇となりました。ダウも高値圏、原油も40ドルキープとリスクオンムードでしょうか。空売り比率も32.9%とかなり低下してきており、ショートカバーもあって大幅高です。空売りのみずほ銀行は一度利食いして、再度空売りしました。これは完全に投機です。

日経平均EPSが、4月21日時点で1,129円であり、日経平均の水準は、PER15.37倍と比較的割高な印象を受けます。安川電機(6506)も4月20日決算を発表しましたが、今期はドル円=110円を想定レートとし、その水準で20%程度の減益予想です。

ドル円=110円保てればいいですが、それ以上円高となるとさらに減益幅が広がる可能性があり、現在の日経平均の水準は少し高いかと思っています。とはいえ、世界的に株高の流れの中、日本が出遅れているのは間違いないので折り合いを見てポジションを取りたいです。

さて、2016年4月21日は、ジャパンミート(3539)の上場でしたね。初値は、1,040円となりました。昨日の個人的な予想レンジ(930円~1050円)ぎりぎりといったところでしたが、公募割れかなと思っていたので、予想よりは強い結果となりました。

頂いたIPO分は売らずに、さらに初値付近で買い増ししました。というのも本日開示資料に以下の文言があったからです。

3.当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しております。現時点において、 平成 28 年7月期(予想)については配当を予定しておりますが、具体的な配当金につい ては現時点では未定であります。

とりあえず配当もあるということで、暫く様子をみたいと思います。月次予想等が開示されればいいのですが、少し荒い値動きになるかもしれないので、値上がりが大きければ利食い、買値下回れば損切といった相場を見ながらの対応をしたいと思います。

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(4月21日ジャパンミート開示資料:東京証券取引所市場第二部への上場に伴う当社決算情報等のお知らせより抜粋)

 

さて本日のお題。

投資本『ROE革命の財務戦略』のご紹介です。この本は企業の財務担当者にはお勧めですが、投資家にも大変お勧めです。どういった企業に投資すればよいかヒントがあると思います。

 

1.なぜ外国人投資家は、ROEを重視するのか
2.日本企業のROEが低い理由とは
3.今後の投資について

 

1.なぜ外国人投資家は、ROEを重視するのか

株式投資の利益について本質的なことが書いてあるのですが、株主の利益はまず、キャピタルゲイン(株式売却益あるいは潜在的な含み益)とインカムゲイン(配当金受領額)の合計になります。これはTSR(Total Shareholder Return=株式総合利回り)と呼ばれます。

たとえば、1,000円の株を買って、1年間に4%値上がりした結果(1,000円×4%=40円)、キャピタルゲイン40円となります。この株式の配当金が1年間で20円であれば、インカムゲインが20円となります。キャピタルゲインとインカムゲインの合計は、40円+20円=60円となり、1,000円の投資に対して1年間で60円株主の取り分が増加したので、TSRが6%となります。

このTSRとROEを日本、アメリカ、欧州で比較したことが書いてあるのですが、そこを引用させていただきます。(『ROE革命の財務戦略』P65)

日本株を過去30年保有した場合の総合利回り、つまりTSRは年率6%程度であるが、これは、その30年間の平均ROEが年率5%程度であるからである。(中略)米国株に過去30年間投資した場合の株主のリターンは13%弱である。なぜなら、おおむね該当期間の平均ROEは14%だからである。また、同様に欧州株に過去30年間投資した場合の株主のリターンは12%である。なぜなら、おおむね該当期間の平均ROEは12%だからである。

つまり筆者は株主としての総合リターンは長期的にはROEに収斂するということを言っています。30年間のデータがありますし、株主のリターンは、すべての費用を支払った最終利益にあたるので、たしかにその通りだと思います。ただし、キャピタルゲインも含めたTSRがこのように相関しているデータは非常に驚きました。

 

2.日本企業のROEが低い理由とは


せっかくなんでROEについて、ちょっとおさらいです。ROEはReturn Of Equityの略で、日本語では自己資本利益率とも言われています。下の図をみてください。バランスシート上のEquityの部分がどの程度の割合で利益を出したかを図る指標です。例えば、このバランスシートで4億円の利益を上げたとします。4億円÷40億円=10%がROEとなりますね。

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8億円の利益であれば、8億円÷40億円=20%がROEです。基本的には高ければ高い方が良いです。ただし、借入金の割合を多くすることことでもROEを高めることができるので、株式投資としては注意が必要です。

ちなみに、バランスシートは右側はお金の調達方法。左側は、お金の使い道です。DebtとEqutiyでお金を調達し、左側のAssetで何に投資しているかと覚えておけば便利だと思います。

話を戻しますが、日本の企業のROEが低いというのはどういうことでしょうか。一つは、Equityの部分が過大だいうのがあります。先ほどの4億円利益を稼いだ企業がそのまま溜め込んだ場合は、Equityが4億円増加し、Assetつまり現金が4億円増加します。

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この状態の何が問題かというと、翌年も仮に4億円稼いだとします。その際ROEは、4億円÷44億円=約9%と低下し、Equityに対するリターンが下がります。ではどうすればよいかというとざっくり2つ解決策があります。

①例えば、4億円の利益が出た際に、配当ですべて株主に返してしまうやり方です。するとどうなるでしょうか。現金が4億円減り、Assetが100億円に戻り、Equtiyも40億円になります。株主は配当を4億円もらい、翌年も同じ4億円の利益であればROE10%のままです。株主としては、配当を4億貰った上に、ROEが10%維持できるので好ましいといえます。

 

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②もう一つは、4億円の利益が出た際に、その4億円を企業が設備投資し、新しいビジネスで利益を生むことです。仮に、4億円の新規ビジネスで0.4億円の収益を毎年稼ぐことができたとします。そうすると既存ビジネスの利益4億円+新規ビジネスの利益0.4億円=4.4億円の利益となります。つまり、ROEは4.4億円÷44億円=10%となります。

あくまで欧米の企業との比較ですが、日本企業は、①でもなく②でもない、(一部配当はするものの)現金をそのまま置いておく会社が多いため、自己資本比率が高くなりますが、ROEが低下していきます。

 

先ほどのROEが低い話に戻ります。アメリカと欧州の企業のTSRが10%を超えている中、日本企業のTSRが5%以下となっています。その理由はROEが低いことが原因ですが、そうすると外国人投資家は、日本にわざわざ投資しなくても、アメリカ、欧州に投資した方がリターンが良いので当然欧米企業に投資します。

私もやみくもにROEを上げることが好ましいとは考えていません。ただ折角稼いだ利益の使い道が一番大事だということを企業にもっともっと認識してほしいということです。ROEを意識するということは、配当すべきか、新規ビジネスに使うべきかを長期的に財務戦略を考える必要があります。

日本の企業の配当性向は30%程度が一番多いというデータがあります。30%の配当性向にしっかりとした理由がある企業もあるかと思いますが、30%程度は株主に還元する横並び的な考えの結果という企業が多いようです。

一方アメリカも配当性向は平均すると、30%程度だそうです。ただし、無配当の会社と50%、60%の配当性向の会社の平均をとると配当性向30%という結果です。これが何を意味するかというと、さきほどの例①のように、業界によっては成長するビジネスが少ない業界もあります。

例えばタバコ業界で、こういった会社は①のように配当を多くし、配当性向50%以上というのも珍しくありません。一方、成長するビジネスがたくさんあれば、無配で②のように新しいビジネスをどんどんやり、利益を増やすことで株価を上げ、株主に還元するというやり方もあります。つまり各企業が長期的にどうやって株主に還元するか、それは配当なのか成長なのか、財務戦略がしっかりしているのが欧米の企業です。

3.今後の投資について

日本企業のROEも徐々に上昇しています。JPX400もあり、ROEに注目が集まっています。投資家がどう行動するべきかですが、円高も進んでいるので、一つはROEの高い割安な欧米の企業に投資することでしっかりリターンを得る方法もあります。


一方で日本の企業は300兆円の内部留保があるともいわれています。これを上手く活用ればROEの向上も可能だといえ、そういった投資対象に投資した方が、欧米の企業よりも伸びしろが大きいと私は考えています。つまり日本企業には、ROE向上による、株価の上昇と増配等の恩恵をうけるダブルチャンスがあると思ってます。(ちょっと欲張りですかね(笑))

こういったことからROEは低くてもこれから改善しようとしている企業は狙い目かもしれません。預貯金の金利が低い中、株式投資の重要性は高まると考えており、良い投資先に中長期的に投資したいと思っています。

投資本のご紹介と言いながらほとんど自分の頭の中を話してしまいましたが、この本は大変勉強になりました。改めて良い投資対象を探していきたいと思います。

 

それでは!!

 

 

ROE革命の財務戦略

ROE革命の財務戦略

 

 

 

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